担当する大学院の研究科:
新領域創成科学研究科 自然環境学専攻
この専攻に「陸域環境」と「海洋環境」の講座がおかれており,海洋研究所から多数の教員が後者の担当となっています.私は,このうち「海洋環境動態学分野」の担当となっています.
道田研究室でどんな研究ができるか:
私は,経歴が示すとおり,ちょっと前まで海上保安庁水路部(2002年4月から海洋情報部と名称変更)にいました.水路部時代は,そのときどきの組織としての研究ニーズに合わせて,いろんな研究を行ってきました.ざっと仕分けをしてみますと,
○舶用波浪計を用いた外洋波浪計測に関する研究
○漂流ブイによる表層循環に関する研究
インドネシア通過流の変動
亜熱帯反流の構造
○ADCPを用いた表層海流場の詳細な構造に関する研究
黒潮の流速構造
表面エクマン層の構造
○南極昭和基地における水位の長期変化に関する研究
○位置追跡漂流浮子による海洋表層における粒子分散に関する研究
○漂流ブイを用いた海洋表層の収束発散場の評価
などがあります.詳しくは業績リストをご参照ください.
これらの研究のほか,漂流予測に関する技術開発や,海洋データ管理,さらには海のGISといった課題にも,あるものはそれなりに深く,あるものはごく入り口部分にだけ関わってきました.
計測技術にも興味があって,ちゃんとした研究論文にはなっていませんが,「流星バースト通信による海洋データの伝送」などにも関わってきました(解説文は数編あり).
現在は,引き続き漂流ブイやADCPを用いた表層海流の変動に関する問題を中心課題に据えて研究を続けています.やはりベースとなる専門は海洋物理学で,今後もそれを基本としていきますが,上記のとおり実社会における海洋学についていくばくかの経験がありますので,そうしたことも生かした研究を進めたいと思っています.
特に,新領域創成科学研究科自然環境学専攻の担当教員としては,海洋環境を考える場合に,どんなテーマにおいても避けては通れない,多かれ少なかれ視野に入れる必要のある,海洋物理環境(水温,塩分,流れなど)に関する理解を進めるため,幅広い視点で研究を進めていきます.
どんな人を求めているか:
環境学に必要なのは総合力です.でも,自分自身の得意とする専門分野を持った上での総合力が肝要であると考えます.
海洋環境の問題に関心があり,海洋環境を決定する最も基本的な要素の一つである流れの変動を知ることが大切だと思う人,海洋物理の知識をベースにフィールド調査を主体とした海洋環境に関する研究をしてみたい人,海というフィールドに興味があり,海の自然環境を規定する海水の動きを知りたい人,海の研究において「海洋情報」がキーワードの一つだと思える人,好奇心旺盛な人が仲間に加わってくれるよう,お待ちしています.
どうすれば仲間に加わることができるか:
東京大学大学院新領域創成科学研究科の自然環境学専攻の入学試験を受験してください.
大学院の担当講義:
海洋物理環境論(平成22年度夏学期 集中講義として開講) 開講日は間もなく通知
海洋流体力学概論(平成19年度冬学期 藤尾准教授と共同で開講)
海洋流体力学概論(平成18年度夏学期 藤尾助教授と共同で開講)
海洋物理環境論(平成13,15,17年度夏学期開講)
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